『西洋のおさむらいさん』は、2013年(平成25年)7月14日と8月5日にニコニコ動画に投稿した、人形劇動画作品です。私にとって、インターネットを通して世界に発信したはじめての映像作品です。第2回まで制作し、現時点では未完となっております。
Contents
本来予定していた『西洋のおさむらいさん』のストーリー
江戸時代(1713年)、東北の藩の供家老である侍、右上安兵衛(うがみ・やすべえ)は異国の地ドン・ペリーノ王国にワープしてしまいます。そこで出会う人々とともに、王国を平和的に守っていこうと奮闘するストーリーです。(動画では後述の経緯により、途中までしか作れていません)
各回リンク
回数とタイトル | 投稿日 |
第1回『参勤交代』 | 2013年7月14日 |
第2回『裏切り』 | 2013年8月5日 |
登場人物
主人公
右上 安兵衛(うがみ やすべえ)
東北地方の藩の侍。藩の供家老。寛文4年閏5月13日(1664年7月6日)生まれの49歳。参勤交代の取りまとめ役。
(今後、順次加筆していきます)
制作までの背景
映像作品を作りたい!
私は中学1年生のとき(2009年)から学校の友達に読んでもらうためにマンガ『棒人間物語』を描き始めました。2年ほど描きつづけていましたが、高校受験の勉強に専念するため、周りも受験モードの雰囲気になってきた中学3年生(2011年)の秋をもって執筆を終えました。
その後無事に受験を乗り越え、高校に入学するのですが高校生活は中学時代とはうってかわって多忙な生活に。マンガを描いて、クラスの友達に見せる雰囲気ではありませんでした。
その一方で高校1年生(2012年)の夏ごろから私は映像作品に興味を持っていました。自分でも人形劇(しかも毎日ストーリーが進む帯番組のようなもの)を作ってみたいという夢が出たんですね。
私は、いろいろと映像作品の企画を練るようになりました。そしてこの時編み出した企画のひとつが『西洋のおさむらいさん』だった…ではないんですね(笑)
1度目の案出しから断念へ
実はこのとき考えだしたのは、後に制作することとなる『連続紙芝居 大翔の大冒険』。そして東北地方を舞台とした別の作品でした。最初はこのどちらかを制作しようと考えていました。ただ、どちらもこの時点で制作には至りませんでした。
制作にあたっての条件としたのが、「高校2年の終わり(2014年3月)までに最終回まで作れること」でした。3年生のときは受験シーズンとなるので、人形劇の制作はできません。となると、この1年間はストーリーを進めることができなくなってしまうのです。
中途半端なところでストーリーを止めてしまうと視聴者のみなさまに悪いし、作者である私もストーリーの設定を忘れることは防ぎたかった。このため、高校生のときに1作を完結させたかったのです。
この条件を通して考えたとき、『大翔の大冒険』は大長編にしたいという願いがあったことから制作を断念、もう一つの作品も壮大なストーリーになりそうだったので制作を断念しました。
再始動、『西洋のおさむらいさん』を企画
翌、2013年。私は高校2年生になりました。この年は朝ドラで『あまちゃん』、大河ドラマで『八重の桜』が放送され、東北地方は舞台として注目を集めるようになりました。
人気を集めていくドラマを観て、「自分でも何か作りたい」という思いが湧き上がってきました。そこで再び物語の企画を考えます。『八重の桜』で歴史ものの影響を受けたこともあり、企画したのが『西洋のおさむらいさん』でした。
制作にあたって
制作団体を立ち上げ、ペンネームを名乗る
作品投稿にあたり、私は一人団体現代人形劇製作委員会を立ち上げました。この作品からしばらくはこの団体名で制作することとなります。
同時に私は、ペンネームを用いて作品を制作するようになりました。この作品と次作『タレン・シャノ』では、矢後與惠(やご・よのえ)というペンネームを用いて制作することになります。
投稿ペース、時間を一定に
制作にあたって、投稿ペースを決めました。毎週土曜日の投稿、2013年7月6日から2014年3月29日までの投稿予定を立てました。全36回の制作予定でした。
また、1回の動画の時間を決めました。通常1回12分、初回や最終回などの拡大版では1回15分で制作することにしました。第1回が15分、第2回が12分となっているのはこのためです。
ストーリーをあらかじめ決めておく
制作にあたり、あらかじめ第1回から最終回までのストーリーを決めました。ストーリーを考える時間を減らし、制作時間を確保しようと考えたのです。
いよいよ投稿…のはずが!
制作に大幅な遅れ
こうして企画を作り上げ制作を始めましたが、この時点ですでに2013年6月下旬。第1回投稿日まであとわずかしかありません。制作を急いだのですが、第1回を投稿できたのは予定日の8日後、2013年7月14日のことでした。
この時点ですでに第2回の投稿予定日(7月13日)も過ぎており、急いで制作にとりかかりましたが、投稿できたのは約20日も経過した8月5日のことでした。
第3回以降の制作を断念
このあと、第3回を制作することはありませんでした。大幅な遅れを取り戻すことはたいへん厳しいと考えたからです。
ストーリーの骨組みを決めたものの、1回の動画の時間をガチガチに決めてしまっていたこと、主人公・安兵衛の誕生日と命日(企画段階では決まっていました)を初回投稿予定日と最終回投稿予定日に設定したため、スケジュールをずらせなかったことが原因でした。
『西洋のおさむらいさん』のその後
現代人形劇の日の制定
投稿の翌年(2014年)、私は初回の投稿予定日であった7月6日を、現代人形劇製作委員会にとっての記念日「現代人形劇の日」に制定しました。翌2015年からは実際に初回を投稿した7月14日に記念日を移しています。
私、そして現代人形劇製作委員会にとってのこの日は「冒険開始の日(4月4日)」、「創作開始記念日(11月24日)」と共に三大記念日として大切な日となっています。
「決め過ぎた」ことへの反省
投稿時間を秒単位で決めていたことは制作上大きな足枷となってしまいました。このため、次作『タレン・シャノ』からは動画の時間に制限を設けずに制作することとなりました。そして『タレン・シャノ』はみごとに完結させることができました。
総括-作者のひとこと
結局未完の作品となっており、私や現代人形劇製作委員会にとっては苦い船出となってしまった本作ですが、動画制作においての第一歩となったことは間違いありません。実際、私の創作10周年を記念して制作した『今日は創作10周年の日(作品No.234)』では、10年の歴史の第2走者として、安兵衛が走っています。
安兵衛は「歴史上の登場人物」であることから現時点で私の他の作品に登場させることがいろいろと難しいキャラクターではありますが、いつか彼の冒険の続きを描きたいと考えています。